
高難度の挑戦だからこそ面白い。長年続くシステムの製品の品質を向上させるSETの仕事
2025.07.24新卒で入社後、退職、専業主婦としての10年の期間を経て、株式会社Works Human Intelligence(以下、WHI) にパートタイマーとして復帰した青木 加寿子さん。現在は、正社員へキャリアチェンジし、SETとして製品の品質向上に取り組んでいます。そんな青木さんに、WHIのSETの仕事についてお話しいただきました。
2006年:新卒入社。研修を経て、新製品開発の部署へ配属される。
2011年:家庭の事情で退職。妊娠・出産を経て専業主婦として約10年間過ごす。
2021年:パートタイマーとしてWHIへ復職。評価環境・AWSアカウント等の管理・ツール作成などのサポート業務を担当。
2023年:正社員になり、CI/CDチームへ異動。hotfixリリース時の評価の仕組み整備に取り組む。
2024年〜現在:Quality Engineeringチームの発足と同時に異動。
1. SETの仕事について
世間で「SET」という言葉は色々な意味で使われていて、自動テストのスクリプト作成のみをSETと捉える方もいるかもしれませんが、私たちはそれだけに留まりません。開発の初期段階から関わり、製品全体の品質向上を目指すことが目標です。
現代では開発のスピードがますます加速しており、迅速にリリースをしなければ製品はすぐに陳腐化して市場から忘れ去られてしまいます。そこで不可欠なのが自動テストの仕組みですが、アプリ開発者が本業の傍らでテストを管理・維持するのは難しく、作成したテストもやがて使われなくなってしまうことが多いです。そのため、迅速なリリースの実現には、SETの存在が欠かせません。
私たちは、自動化で外部品質(お客様が実際に使って満足できるか)と内部品質(コードやシステムの健全性)を高水準に保つために、自動テストの整備・活用・継続的なメンテナンスに取り組んでいます。
また、テストの観点や戦略については、アプリ開発者(DEV)をはじめ、デベロッパーエクスペリエンス(DX)、CI/CD、QA、ドメインエキスパート(DE)など、さまざまな関係者と連携しながら検討しています。品質を守るという目的のもと、多様な視点を取り入れたチームでの取り組みが、SETの核となる仕事です。
2. テスト自動化案件として難易度の高い挑戦
自社製品である統合人事システム「COMPANY」は、約30年の歴史を持ち、すべての機能を標準機能として提供する非常に大規模な製品です。
このような製品に対して自動テストを作成することは、テスト自動化案件として難易度の高い挑戦です。だからこそ、プロジェクトマネジメントや技術の力で課題を乗り越えていく過程が非常に面白く、学びの多い環境でもあります。「COMPANY」が管理しているデータは約540万人※1にもおよび、その分、自分の仕事がユーザーに与える影響も大きく、大きなやりがいを感じられます。
これほど大規模な製品でありながら、「良い技術は積極的に取り入れていこう」という文化が組織全体に根づいているため、新しい技術を使ってチャレンジしたい方や、難易度の高いプロジェクトに挑戦したい方には、まさに最適な環境だと思います。
3. 前例にとらわれず柔軟に対応する。WHIの魅力について
私は、新卒で入社後に一度退職をして、パートタイマーとして復帰後に再び正社員になるという、少しユニークな経歴を持っています。
新卒での入社を決めたのは、前身の会社でインターンに参加したことがきっかけでした。他の企業にはない自由度や、若手でも裁量を持って働ける環境に魅力を感じたんです。その後、家庭の事情で一度退職し、妊娠・出産を経て、10年ほど専業主婦として子育てに専念していました。復職は全く考えていなくて、「子育てが落ち着いたらパートをしようかな」ぐらいに思っていました。そんな時、会社員時代お世話になっていた先輩から「そろそろ働いてみたくなったりしない?」と声をかけてもらったんです。
「子供も小さいので、週4で午前中だけとかなら働けるんですけどね」と軽い気持ちで言ってみたら「それできるか聞いてみるね!」とすぐ動いてくれて。パートいう働き方は当時の会社では前例がなかったのですが、人事の方も「面白そう、やってみよう!」と快く受け入れてくれました。
WHIは決して小さな組織ではないので、まさか本当にパートとして復職できるとは思っていませんでした。だからこそ、前例がなかったにもかかわらず柔軟に対応してくれたことには、とても驚きました。現在、従業員数は2,000人を超える規模ですが、組織の大きさに関係なく、前例にとらわれず柔軟に対応する文化があるのは、WHIの大きな魅力だと感じています。
また、組織が大きくなると、どうしても上下関係や部署間の壁ができてしまうものだと思っていましたが、WHIではそうした堅苦しさがありません。立場の違いやチームの垣根に関係なく、誰もが意見を言いやすい雰囲気がありますし、「言いづらいから黙っておこう」という空気もありません。本当に働きやすい環境だと思います。
4. 今後の目標は、外部・内部の製品品質をリードするエンジニアになること
専業主婦だった10年のブランクを不安に感じることもありましたが、新しい技術をキャッチアップして周囲の人に頼ってもらえる瞬間や、チームで成果を出せたときに大きなやりがいを感じています。
これからは、開発時のテストにとどまらず、DevOpsサイクルのあらゆるフェーズで品質を高められる仕組みを取り入れていきたいと考えています。そして、自動テストの作成・維持を開発プロセスの一部としてしっかり根づかせることが目標です。
将来的には、外部品質(ユーザーが実感する使いやすさや安定性)と内部品質(コードや構造の健全性)の両面から製品の品質をリードできるエンジニアを目指しています。