
寄与する法務の専門家集団を作る
法務 H.I.

Profile
法務 H.I.
法務 Dept. 部門長
2023年入社
弁理士・弁護士資格を取得しながら、複数の企業で知財や法に関する業務に従事。WHIへ転職後は、法務部門長としてマネジメントを行いながら、職務発明規程の制定や発明報奨制度の導入など、自身の経験をもとに活躍している。

前職でのキャリアと、転職の経緯について教えてください。
学生時代は、AI(拡張現実を使ったマルチエージェント・シミュレーション※)の研究で情報工学の博士号を取得しました。また、メーカーへ新卒入社した際には、センサーで集めたデータを分析して、機械やロボットの動きを制御する研究に携わっていました。
研究の過程では特許出願の機会が多くあり、ある時ふと、「自分で特許の明細を書けるようになっておこう」と思い立ったことをきっかけに、弁理士資格を取得。より専門的な実務を学ぶため、特許事務所へ転職しました。
そこで2年ほど実務経験を積んだ後、前職とは別のメーカーへ転職。所属していた知財部の先輩に誘われて夜間の法科大学院に通い、弁護士資格を取得しました。同社の知財や法務業務に携わりながら9年間ほど勤めた後、専門性を磨くため、法律事務所へ転職しました。
その後の2年間、弁護士として法律事務所に勤務し、実務経験を積みました。主に知財関連業務に携わる中で、当事者として問題全体を見渡しながら解決に取り組みたいという思いが、次第に強くなっていきました。
そこで、学生・新卒時代の研究を通じて慣れ親しんだIT分野を軸に、経営や事業全体を俯瞰しながら業務に取り組める、適切な規模感の成長企業を次のフィールドとして探し始めました。
その中で出会ったのがWHIであり、自身にとって理想的な環境であると感じ、入社を決意しました。前職において、ユーザー側の立場でCOMPANYと知的財産システムとの連携に携わった経験も、WHIへの入社を後押しする要因となりました。
※たくさんの人やモノが動き回る様子をコンピュータ上で再現して、未来の動きを予測する技術
リスクという課題を発見し現実解に導く仕事
現在の部署の使命やご自身の役割について教えてください。
現在は、法務部門長として、10人規模のチームをマネジメントしています。仕事内容としては、契約関連業務が大きな割合を占め、大手企業から官公庁まで多岐にわたるお客さまとの億単位の取引において、それぞれの特殊性・複雑性のある案件に適切に対応していくことが求められます。それらに並行して、将来のIPO準備における体制整備や、経営リスクの検知・予防・対策といった仕事があります。
法務の役割として“法的リスクの指摘をすること”がありますが、「危ない」と言うだけなく、さらに踏み込んで「どれくらいのリスクなのか」「リスクを低減させるためには何をすればいいのか」といったことも経営陣と話し合います。事情や状況をふまえて現実的な解決方法を模索するところまでが、法務部門の責務だと思っており、これは法律事務所の代理人業では味わえない醍醐味とも言えます。

経営・事業の課題に同じ会社の当事者として、時には数ヶ月かけて向き合い解決する。そのプロセス全体を見届け、達成へと導くことで生まれる一体感・高揚感は格別です。
専門性で事業の成長への投資・基盤作り

これまでのキャリアの中で、特に印象深い思い出を教えてください。
WHIの知的財産を有効活用すべく、経営層に進言し、職務発明規程の制定や発明報奨制度の導入などを行いました。特許出願をはじめとする知財活動は、事業において競合優位性を築くための投資ですので、他社動向含め、将来を見据えた中長期的な基盤を作れたと思っています。自分自身の専門性を活かすことができた仕事のひとつです。
また、個人的に新鮮で印象深かった仕事としては、2024年6月にWHI Holdingsとして株式会社サイダスを子会社化したことです。外部の弁護士や税理士を含む小さなチームでデューデリジェンスをはじめとしたM&A業務を進めていました。
規模が大きい案件だったこともあって、本当にギリギリまで検討事項が多く、話がまとまった時にはホッと胸をなで下ろした思い出があります。今回の子会社化は、タレントマネジメント領域における当社事業の成長を後押しするもので、WHIグループの成長に寄与できた成果となりました。
法務のスペシャリストチームを作る
今後の目標やチャレンジしたいことについて教えてください。
明確な将来像は描いていないのですが、税務と財務の知識があると仕事の幅が広がるかなと思い、勉強に着手したところです。
これに限らず、弁護士・弁理士といった「士業」というのは、いかに情報や知識を持っているかが重要ですので、常に専門知識をアップデートしていくことが必要だと考えています。
一方、いち士業ではなく、法務部の部門長としての展望は、少数精鋭ながらも一人ひとり高い専門性を持つチームを作りたいと思っています。部門として勉強会を実施し全体の底上げを行いながら、各々セミナーや書籍等で専門分野を磨いていくという動きを進めています。

専門職のプレイヤーとしてのキャリアが長く、本格的なマネジメント経験が少なかった私に、法務部門長を任せてくれているWHI。だからこそ私も、メンバー一人ひとりのキャリア実現に貢献したいと思っていますし、法務という数字等でわかりやすく成果を示せるものではない仕事の重要性をどのように社内へ示していくかを含め、一緒に考え、ともに成長していくことで「はたらく」を楽しくしていきたいと思います。
一日の流れ
法律事務所/社内からの連絡確認&返信
社内ミーティング
事案ごとに法的リスクについて経営層への説明など
部内メンバーとの1on1
キャリア相談や仕事相談など
社内からのチャットへの返信
休憩
部内の日次打ち合わせ
主にお客様との契約に関する情報共有や質疑など
マネジメント業務
採用や部門予算、外注状況の確認など
社内ミーティング
法改正対応やコンプライアンス体制の整備など
作業
他部門から依頼されたリーガル文章の作成やレビューなど